知っておきたい労働審判

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解雇を金銭で解決することの是非

労働審判の申し立ての中で最も多い労働トラブルは地位確認請求であると前述しましたが、この地位確認請求に代表されるのは不当解雇に対する申し立てとなっています。この不当解雇に対する労働審判の際に問題とされているのが、解雇の不当性を争点とした場合、その多くが復職による解決ではなく、金銭の支払いによる解決での終結を迎えているところにあると言えるでしょう。実際のところ、労働審判のような手続きを行い、審理を経て、たとえ解雇の不当性と復職を認められたとしても、心情的にも復職が容易ではないことは予測できますが、不当解雇を金銭で解決することを助長してしまうことにもなりかねないと懸念されていることも事実なのです。

しかしながら、申し立てを行う労働者本人が、「解雇の不当性を認めさせたいが、復職ではなく金銭の請求がしたい」と考えるのであれば、この労働審判は労働者側にとっては非常に有効な制度となることも否めません。こうなってくると、現段階では申し立てを行う労働者自身が、不当解雇に対して復職を求めるのであれば民事訴訟を起こし、金銭的解決を求めるのであれば労働審判を申し立てるといったように、希望の終結によって利用する制度を選択するより仕方ないと言えるでしょう。
本来であれば、労働審判においても不当解雇が復職による解決で終結できるようになることが一番良いのですが、民事訴訟とは異なり、3回期日という短い期間でのスピーディーで適切な解決を目的としている労働審判では、双方の納得のいく妥協点に落ち着くような解決案が模索されるために、復職による問題解決への道は非常に険しいものであると考えられます。現段階では、不当解雇に対して復職での解決を求める労働審判を起こしたとしても、金銭による解決という結果が審判された場合に、それを不服とするのであれば、そこから民事訴訟へと移行されることになってしまいますので、金銭による解決を希望しない場合は初めから民事訴訟を起こす方が得策となっています。