知っておきたい労働審判

労働審判なら「知っておきたい労働審判」へ! - 民事裁判との違い

民事裁判と労働審判制度の違い

あっせん制度と労働審判制度の違いについては前述のとおりですが、次に通常の民事訴訟とはどのような違いがあるのかを、民事訴訟の特徴を見ながら検証していきたいと思います。民事訴訟とは人や企業の権利や義務に関する紛争を、裁判所が両者の主張と立証に基づき、法的な判決をくだすことを表し、争点の白黒をはっきり着けたいというようなトラブルが起こった際に用いられますが、弁護士への依頼が必要となる上に、長期化する恐れがあるために多額の費用と時間を費やす可能性があります。また、判決には強制力があるということが最大のメリットであると考えられますが、この判決は争点においてどちらの主張が正しいかというような判断となるために、例えば不当解雇についての訴訟を起こした場合においては、たとえ解雇無効で勝訴したとしても、不当解雇についての白黒がはっきりするだけで、解決金などは発生しません。

このように「お金と時間がかかって敷居が高い」民事裁判と、「手軽で敷居は低いが強制力がない」あっせん制度の中間の役割を担っているのが労働審判制度であり、原則3回期日で終結するという期間の短さからも時間と費用面において、民事裁判よりも敷居が低く利用しやすい上に、あっせん制度よりも強制力を持っているという強みがあると言えます。さらに、法的判断において白黒をつけることが目的である民事裁判とは異なり、労働関係に対する専門知識を持つ労働審判員によって、法律を踏まえた上で双方に有益となるような調停の成立が試みられるため、トラブルのケースによって柔軟に解決される可能性が高いと言えるでしょう。万が一、調停が成立せずに労働審判が下され、その審判が不服であったとしても、異議申し立てをすることにより、民事訴訟へと移行される運びとなりますので、民事訴訟を起こすだけの金銭面と労力面に余裕があるのであれば、柔軟な解決につながる可能性がある労働審判制度を、先ずは利用してみると良いかもしれません。